ナチュフル英会話

英語上級者を目指す中級者向け英語学習ブログ

【正規留学の基本知識】アメリカの大学と日本の大学の違い10

 

アメリカの大学へ正規留学を予定・検討している人のために、この記事ではアメリカの大学と日本の大学の違いを10個まとめました。留学前に知っておくべき基本的な知識・情報なので、ぜひご一読下さい。

 

〜私の経歴〜
日本の普通の高校を卒業後、アメリカの大学に進学。
4年後卒業・帰国し、現在は外資系企業にて英語を使った仕事をしています。

 

この記事でわかること

 アメリカの大学の入学・卒業

 アメリカの大学での学年

 アメリカの専攻変更・編入の自由さ

 アメリカの大学での単位の取り方

 

入学・進級・卒業に関する違い

日本とアメリカの大学の大学の違い①

 

①学年度は9月スタート

日本の学校の学年度はご存知の通り4月に始まりますが、アメリカでは9月(早いところは8月下旬)に始まります。

 

ほとんどの大学では9〜12月の秋学期(Fall Semester)と1〜5月の春学期(Spring Semester)の2学期制を採用しており、学年度が終わるのは5月中旬頃です。

 

②入学式はなく、入学のタイミングは9月と1月の年2回

入学のタイミングは秋学期が始まる9月(大学によっては8月下旬)と春学期が始まる1月の年2回あり、秋入学の生徒の方が多いです。

 

アメリカでは新入生オリエンテーションはありますが、入学式はありません。

 

関連記事

アメリカの大学の年間スケジュールについて詳しくはこちら

 

 

入学後の流れについてはこちら

 

 

③入学時に学部・学科を決める必要がなく、途中で変更も可能

日本では大学受験が学部・学科ごとのため、入試対策のためにも高校2年生くらいから自分が学びたい学部・学科を絞り始め、出願時には決定しなくてはなりません。

 

一方でアメリカでは出願・入学時に学部・学科を決める必要はなく、大学3年生頃までに決まっていればOKです。

 

3年生まではどうするの?

一般教養科目を取りながら専攻を考えられるよ

 

アメリカでも日本と同じく、卒業に必要な単位は一般教養科目専攻科目で構成されています。一般教養科目は語学・数学・科学・社会・芸術/文学などの科目(基本的には選択性)で、collegeでは約1年分、universityでは約2年分の単位数を占めます。

 

collegeとuniversityの必修単位数

 

一般教養科目を取り終わる2年生の終わりから3年生の始め頃までに専攻を決めれば良く、また「実際に学んでみたらイメージと違った」「将来の夢が変わった」という場合には専攻を変更することも可能です。

 

専攻を在学中に決定・変更するリスク

専攻を在学中に決定・変更することにはリスクもあります。

 

例えば、専攻によっては一般教養科目の一部が指定されているため、指定科目を取っていなかった場合には取り直さなければなりません。

 

また、専攻科目を履修した後の専攻変更では、既に履修した科目が新しい専攻でも必修となっていない限り、単位は無駄になります。

 

単位の無駄や取り直しが発生することで、授業料が余計にかかるだけでなく、卒業までの期間が伸びる可能性もあります。専攻はできるだけ早めに決め、変更はしないに越したことはありません。

 

関連記事

一般教養科目について詳しくはこちら

 

 

④編入が一般的

アメリカでは編入制度が整っているので、他の大学(州問わず)に編入が簡単にできるだけでなく、これまでに取得した単位の多くを編入先の大学に移行することができます。

 

日本では大学在学中の編入はレアケースかと思いますが、アメリカでは60%の生徒が編入制度を利用するという調査結果もあるほど、編入は特別なことではありません。

 

collegeの方が学費が安いため、collegeで一般教養科目を履修し、3年生でuniversityに編入して専攻科目を履修する、というパターンが1番多いですが、他にも「思っていた大学と違う」「専攻を変更することにしたから、その専攻の教育内容が充実している大学で学びたい」など、どんな理由でも編入は可能です。

 

 体験談

私もcollegeからuniversityに3年生で編入した1人です。

 

もともとは学費節約のためでしたが、college生活は「思っていたのと違う」と感じる部分も多かったので、college生活を踏まえてuniversityを選べたことで、universityではより理想とする留学生活を送ることができました。

 

関連記事

編入のメリット・デメリットや単位移行の注意点について詳しくはこちら

 

 

⑤年度ごとの進級がなく、学年は単位数で決まる

日本では4月にみんな揃って進級しますが、アメリカでは入学月も人によって違うこともあり、以下のように取得済みの単位数で『学年』が決まります。

 

memo

アメリカの大学での『学年』の数え方

 

 1年生 (Freshman):〜29単位

 2年生 (Sophomore):30〜59単位

 3年生 (Junior):60〜89単位

 4年生 (Senior):90単位〜

 

「在学何年目には何年生にならなければならない」といった考え方もないですし、アメリカでは日本ほど学年は重視されておらず、学年を聞き合うことはそんなにありません。

 

⑥単位を取り終わったら卒業

アメリカの大学では学位取得に必要な単位が取り終わった時点で卒業できます。通常卒業までにcollegeは2年、universityは4年かかりますが、夏休みや冬休みにも単位を取ることで在学期間を短くすることも可能ですし、逆にuniversityを5, 6年かけて卒業する人もいます。

 

卒業式(commencement ceremony)は年2回、秋学期が終わる12月と春学期が終わる5月に行われます。5月卒業の生徒の方が多く、卒業式の規模は5月の方が大きいです。

 

日本のように全員一緒に卒業するわけではないので、卒業式への参加は事前申込制で申込期限があります。大学最後の学期に突入する前に確認しておきましょう。

 

 体験談

私は5月の卒業式に出ましたが、卒業式後の夏休み中に最後の単位を履修していたので、全ての単位を取り終えて実際に卒業したのは8月でした。

 

勉強に関する違い

日本とアメリカの大学の違い②

 

⑦予習重視&宿題が多い

アメリカの大学では授業は教科書や資料を読んできていることを前提に進みます。授業の理解度・参加度に直結するので、特に留学生は予習が必須です。予習を含めた1週間の宿題の量は以下をご参考下さい。

 

memo
宿題の量

 

毎週
・20〜30ページ分の教科書を読む

・教科書以外の資料を読む

 

数週間ごと

・小テストの勉強

・エッセイ・リサーチペーパーを書く

・発表やプロジェクトの準備

 

 これを4〜6クラス分

 

1週間の勉強時間は1単位週3時間~

アメリカの大学生は実際どれくらい勉強してるの?

1単位当たり週3時間程度らしいから、15単位取ると週45時間くらいになるね

 

授業は1単位あたり週1時間、予習や宿題に充てる自習時間は1単位あたり2時間〜と言われており、3単位の科目では授業が週3時間、自習時間は6時間〜になります。

 

アメリカでは1学期に12~15単位前後を履修する生徒が多いですが、目安の勉強時間は12単位で週36時間~、15単位で週45時間~です。

 

12単位と15単位の目安勉強時間

 

ただしこの『1単位あたり自習に週2時間』というのは現地生徒にとっての時間数なので、英語が第一言語ではない留学生はさらに多くの時間を費やすことになります。

 

「アメリカの大学は出るのが難しい」と言いますが、やるべきことをきちんとやっていれば卒業は決して難しくはありません。しかし、「中間・期末テストさえがんばれば良い」という考え方は通用しないので、日頃からそれ相応の努力が必要です。

 

関連記事

アメリカの大学での勉強について詳しくはこちら

 

 

⑧1~4年生まで一学期に取る単位数はほぼ変わらない

1, 2年生で単位を多く取り、3, 4年生は就活・卒論に注力する日本

日本の大学では3, 4年生で就活や卒論に集中できるよう、1, 2年生のうちにできるだけ多くの単位を取っておくことが推奨されています。

 

1, 2年生では1学期に20単位前後を履修し、4年生では残り数単位という生徒や卒論のみという生徒も多いです。

 

また、1学期・1年間に取れる最大履修単位数が大学ごとに決められています。

 

4年生までがっつり単位を取るアメリカ

アメリカでは履修するのは1学期に約15単位前後、多くても18単位くらいが現実的です。そのため卒業に必要な約120単位を履修し終えるには、秋・春学期に15単位ずつ取り続けても丸8学期 = 4年間かかります。

 

なんでそれしか取らないの?

理由は次の2つかな
①勉強量が多い
②成績が就活に影響する

 

先述の通り勉強量が多いので、単位を多く取ると手が回らなくなってしまいますし、アメリカでは大学の成績(GPA)が就活に影響するため、「単位が取れれば良い」という安易な考えで無理な履修はしません。

 

もちろんGPAを重視していない企業もありますが、業界や職種によっては「GPA◯以上」と条件があったり、GPAでふるいにかけることも珍しくないようです。

 

また、アメリカでは最低履修単位数が決まっており、学年関係なく1学期に12単位以上は取らなくてはいけません。

 

⑩ゼミ・卒論がない
インターンシップは必修

アメリカの大学ではゼミや卒論はないため、学年が上がっても勉強面では大きな変化はありません。

インターンシップは必修

日本でも多くの学生がインターンシップをしますが、基本的に参加は任意です。インターンシップの内容はグループワーク・講義・社員との交流会・職場見学など、特別なプログラムが用意されていることが多く、インターンシップ期間は半日程度~数か月まで様々です。

 

一方でアメリカでは学位の取得にインターンシップが必須となっています。実際の現場での業務がメインで、多くの場合給与が発生します。

 

また単位認定の条件は大学ごとに違いますが、collegeでは100〜300時間、universityでは400〜1000時間の勤務が必要なため、時間を捻出しやすい夏休みにインターンシップを行う学生が多いです。

 

関連記事

インターンシップについて詳しくはこちら。私の体験談もシェアしています。

 

 

まとめ

アメリカでは入学・卒業の時期が自分で選べますし、専攻・大学の変更も自由です。『自由』は裏を返せば『自己責任』でもあり、他の人と足並みを揃えていれば良いのではなく、自分で情報収集し、考え、決断・実行していく力が必要です。