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アメリカの大学の一般教養科目って何?実際に履修した全科目を公開!

 

アメリカの大学の一般教養科目って何?

 

どんな科目があるの?何単位取るの?

 

履修科目を決める時の注意点は?

 

そんな疑問を抱いている人のために、この記事ではアメリカの大学の一般教養科目について解説すると共に、私自身が実際に取った科目も公開します。

 

〜私の経歴〜
日本の普通の高校を卒業後、アメリカの大学に進学。
4年後卒業・帰国し、現在は外資系企業にて英語を使った仕事をしています。

 

この記事でわかること

 一般教養科目の内容・単位数

 一般教養科目を選択する時の注意事項

 一般教養科目に関する体験談

 

みなさまの参考になれば幸いです。

 

General Education / 一般教養科目に関する基礎知識

そもそも一般教養科目って何?

大学では自分の専攻分野以外の分野からも単位を取る必要があり、General Education(略してGen Ed)と呼ばれています。

 

幅広い知識・教養を身に付け視野を広げる目的があり、大学ごとに多少違いはありますが、以下のような分野が含まれます。

 

アメリカの一般教養科目の分野

 

またアメリカでは専攻は3年生頃までに決定すれば良いので、専攻が決まっていない人は一般教養科目を取りながら自分の興味関心・将来についてじっくり考えることも可能です。

 

どんな科目を勉強するの?

一般教養科目って高校までの勉強みたいな感じ?

一般教養科目より専攻科目をたくさん学びたいのに

 

そう思っている人もいるかもしれませんが、高校までの勉強とは全く違います。

 

大学の一般教養科目は分野ごとに科目リストがあり、たくさんの選択肢から好きな科目を選ぶことができます。また学期期間が4ヶ月ということもあり、広く浅く学ぶのではなく狭く深く学ぶスタイルです。

 

例えば『歴史』は時代・地域・テーマごとに科目が分かれていたり、『理科』も化学・生物・物理といった定番から植物・天文学・解剖など様々な選択肢があります。

 

学びたい科目がきっと見つかるくらい多くの科目があるよ

 

何単位とるの?

具体的な必修単位数は各大学に確認が必要ですが、collegeでは約1年分、universityでは約2年分の単位数を一般教養科目が占めます。

 

collegeとuniversityの必修単位数

 

関連記事

アメリカの大学の単位に関して詳しくはこちら

 

 

何年生で取るの?

一般教養科目を取るのは何年生でもOKですが、大学1, 2年目は一般教養科目メイン+専攻科目少し、大学3年生頃から専攻科目をメインに履修していく生徒が多いです。

 

ちなみに『学年』の数え方も日本とは違い、アメリカでは取得した単位数で自分の学年が決まります。

 

memo

アメリカの大学での『学年』の数え方

 

 1年生 (Freshman):〜29単位

 2年生 (Sophomore):30〜59単位

 3年生 (Junior):60〜89単位

 4年生 (Senior):90単位〜

 

一般教養科目を選ぶ時の注意点

prerequisite(前提条件)があるか確認

中にはprerequisiteと言って、指定の科目を取ってからしか取れない科目があります。

 

一般教養科目でprerequisiteがあるのは稀ですが、念のため授業登録前に確認しましょう。

 

専攻による指定科目があるか確認

専攻によっては一般教養科目の一部が「指定」または「推奨」となっていることがあります。

 

「推奨」の場合はもちろん他の科目を選んでもOKですが、「指定」の場合は他の科目を選ぶと取り直すことになるので注意が必要です。

 

専攻が決まっている人は、自分の専攻の必修科目リスト(Program/ Course Requirements)を確認しながら授業登録をしましょう。

 

編入予定者は可能であれば編入先の科目リストを確認

一般教養科目で各分野から何単位必要かは州や大学ごとに異なります。編入したい大学が決まっている人は、現在の大学ではなく編入先の一般教養科目リストを確認しながら履修する科目を決めることが大切です。

 

また、単位が編入先に移行可能かも確認しておきましょう。移行可能な場合が多いですが、中には移行が認められないケースもあり、特に州外に編入する場合は注意が必要です。詳しくは以下の記事をご確認下さい。 

 

関連記事

編入と単位移行の注意点と対策法について詳しくはこちら

 

 

 

実際にアメリカの大学で履修した一般教養16科目

ここからは私が実際に履修した科目を紹介していきます。

 

私の専攻(ホスピタリティ)で指定または推奨されていた科目には「指定 / 推奨」、自由に選べた科目には「選択」と記載しています。

 

また私の大学では一般教養科目は5分野あり、それぞれどんな科目があるかもリストにしました。一般教養科目の分野・科目は大学により違いますが、似ている部分も多いのでご参考になるかと思います。

 

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ホスピタリティ学部についてはこちら

 

 

コミュニケーション(12単位)

Freshman Reading & Writing(指定)

あらゆるテーマの資料を読み、エッセイやリサーチペーパーを書くクラス。

 

Business Writing(指定)

履歴書(resume)や送り状(cover letter)の書き方を学ぶクラス。

 

Elementary Spanish(選択)

初級スペイン語クラス。高校で学んでいた生徒も多かったので、「初級」と言いつつ初回授業から文法の時間以外は全てスペイン語で授業が進みました。予習や単語の暗記に時間がかかり、楽しかったけど大変な科目でした。

 

Fundamentals of Speech(指定)

声のトーン・話し方・ジェスチャーなどのテクニックを学ぶと共に、実際にスピーチを準備してクラスの前で1人ずつ披露。

 

その他の選択可能な科目

 

 言語系 11科目

・コミュニケーションスキル

・スピーチ/スピーキング

・リスニング

・ライティング

・手話

 

 外国語系 15科目

・初級アラビア語

・初級フランス語

・初級ドイツ語

・スペイン語(初級・中級・実用)

・中国語(初級~中級)

 

など

 

自然科学・分析的推論(12単位)

Intro College Math(指定)

三角関数など数学用語や言い回しを英語で覚える必要はありましたが、内容自体は日本の高校数学だったので復習のようなかんじでした。

 

Elementary Statistics(推奨)

統計学。統計の分析方法、サンプリング方法、仮説構築〜テスト〜仮説修正の流れ、確率論などについて学ぶクラス。

 

Science, Society, and Environment(選択) 

持続可能性を軸に現代の環境問題について学ぶクラス。

 

その他の選択可能な科目

 

 数学系 12科目

 

 科学系 36科目

・化学

・物理

・生物/生物模倣学

・植物学/魚類学

・地質学

・天文学

・環境学

・人体/保健

・解剖学

・フードサイエンス

・ナノテクノロジー

 

 分析系 5科目

・コンピューターサイエンス

・プログラミング

 

など

 

芸術・人文学(9単位)

Photography(選択)

モノクロフィルム写真クラス。写真を撮った後は、暗室ラボで薬品を使用してフィルムの現像まで行いました。写真が趣味だったのでとても楽しかったです。機材は全てレンタル。

 

Children's Literature(選択)

児童文学について歴史、社会学、哲学、テクノロジーといった観点から学ぶクラス。

 

Modern United States History(選択)

1865年以降のアメリカの歴史。第二次世界大戦で日本が降伏を表明した直後のアメリカの映像も授業では見ましたが、アメリカ視点で学ぶ歴史は印象的でした。

 

その他の選択可能な科目

 

 芸術系 13科目

・古代〜中世美術

・ルネッサンス〜現代美術

・写真

・演劇

・小道具・照明

 

 音楽系 14科目

・ピアノ

・コーラス

・吹奏楽

・ジャズバンド

・ロック/ジャズの歴史

・音楽とメディア

・映像音楽

 

 文学系 20科目

・アメリカ文学(近代・現代)

・詩/短編

・シェークスピア

・ベストセラー

・SF

・フィクションの映画化

・女性作家

・創作ライティング

 

 歴史系 17科目

・アメリカ史

・ラテンアメリカ史

・アフリカンアメリカ史

・アジア史

・革命史

・近代世界史

・女性史

・移民・民族・人種

・サイエンステクノロジーの歴史

 

 哲学系 4科目

 

など

 

社会・行動科学(9単位)

Principles of Economics(推奨)

経済学入門。マクロ・ミクロ経済について幅広く学ぶクラス。

 

Introductory Sociology(選択)

社会学入門。社会構造、個の社会化、文化と多様性、社会の変化について学び、日常生活への生かし方について学ぶクラス。

 

World Geography(選択)

世界地理。様々な国・地域について人口、資源、発展などの観点から学ぶクラス。

 

その他の選択可能な科目

 

 行動科学系 7科目

・人類と文化

・人類と環境

・ネイティブアメリカン

・家族

・人生

・心理学

・ゲームと心理学

 

 社会系 11科目

・社会学

・社会問題

・経済学

・マクロ/ミクロ経済

・アメリカ政府

・世界の政治

・国際関係学

・世界地理

・食べ物と地理

 

など

 

社会的責任・倫理的思考(6単位)

Sustainable Design & Development(選択)

持続可能な発展とデザインの力を学ぶクラス。

 

Nutrition for Healthy Living(選択)

栄養学。各栄養素、健康的な献立、食品ラベルの読み方、食の安全性、現代の課題について学ぶクラス。

 

First Aid(選択)

AEDの使い方、心臓マッサージ、意識不明者への対応など応急処置について学ぶ実技クラス。実際にマネキンを使って練習しました。

 

その他の選択可能な科目

 

・建設と環境

・社会・政治経済と環境問題

・政治とメディア

・アメリカ外交政策

・平和学

・グローバル化

・異文化コミュニケーション

・多文化主義

・性差別

・食の問題

・ビジネス倫理

・倫理マネージメント

・テクノロジーと教育

・マッドサイエンスの歴史

・サイバーテクノロジーと倫理

・大学対抗試合と倫理

 

など34科目

 

まとめ

いかがでしたか?

 

私の大学の一般教養科目リストの1部を載せましたが、「生物模倣学」「ナノテクノロジー」「マッドサイエンスの歴史」などコアな科目もあって面白いですよね。

 

ぜひ自分の志望校の一般教養科目リストもチェックしてみて下さい。