インターンシップって何年生でするの?
どうやって探すの?選考の流れは?
いつから活動を始めると有利?
そんな疑問を抱いている人のために、この記事ではアメリカ留学中のインターンシップについて私の体験談も交えながら解説します。
〜私の経歴〜
日本の普通の高校を卒業後、アメリカの大学に進学。
4年後卒業・帰国し、現在は外資系企業にて英語を使った仕事をしています。
インターンシップのポイント・注意点
インターンシップの探し方
応募・採用の流れ
体験談・失敗談
覚えておきたいアメリカでのインターンシップ基本知識
アメリカの大学では必修単位の1つに『インターンシップ』があり、学位取得には必須です。まずはインターンシップに関する基本的な知識を身につけていきましょう。
どんな仕事でも良いの?
もちろんインターンシップは働けば何でも良いわけではなく、ほとんどの大学では以下の3つの条件を設けています。
インターンシップの就労条件
専攻関連の仕事であること
一定の時間数以上働くこと
paid position(給料あり)であること
単位取得に必要な最低勤務時間数は大学ごとに違いますが、collegeでは100〜300時間、universityでは400〜1000時間の勤務を条件としている大学が多いようです。
インターンシップに採用されたら、単位取得に必要な条件を満たしているか、働き始める前に大学の承認を得る必要があります。
college から university へ編入を予定している人はインターンシップの単位は university に入ってから取る方が無難です。
勤務時間数などの条件が違うため、せっかく college で取っても university 側の要件を満たさないといった理由で編入時に単位が認められず、再度取らなければならなくなる可能性があるからです。
何年生でするの?
インターンシップは3年生でする学生が1番多いですが、大学側が条件を設けていない限り何年生でしてもOKです。ただし、応募資格を3, 4年生としている企業もあるので、募集要項を確認しましょう。
なお、インターンシップの単位は複数回取ることができます。異なる企業・職種を経験することで視野が広がり、自分のキャリアプラン・適性について多角的に考えられるようになるのはもちろん、学内でしかアルバイトができない留学生にとってはアメリカでの貴重な就労経験にもなります。
インターンシップはあくまで「単位」「科目」の1つであるため、インターンシップをすると授業料が発生します。
留学中のアルバイトについてはこちら
何月にするの?期間は?
アメリカの大学では宿題が大量に出るため、大学生活と並行して数百時間も働くのは現実的ではありません。そのため夏休み中のインターンシップが最も人気で、以下のようなメリットもあります。
サマーインターンシップのメリット
インターンを募集する企業が多い
インターンシップに集中できる
大学から離れた地域や州でも働ける
サマーインターンシップはフルタイム勤務で10 〜 12週間前後の場合が多いようです。
給料はどれくらい?
もちろん職種や州・市によってかなり異なりますが、$12 〜 $20が相場で、中でも$15 〜 $18があたりが多いようです。
インターンシップの探し方・申込方法・申込開始時期
インターンシップの探し方&応募〜採用の流れ
1. 単位認定の条件を確認
まずは自分の大学が設けている単位取得の条件を確認しましょう。勤務時間数など細かい条件は大学により異なります。
2. 自分の条件・希望をリストアップ
自分が将来働きたい企業・業種・職種はもちろん、「興味がある」「選択肢の1つ」というものも含めてリストアップします。
また、通勤可能範囲・通勤方法・通勤時間も大切な点です。特に車以外の方法で通勤する人は、帰り道を考えて目安終業時間も条件の1つに加えておきましょう。
「◯市には知り合いがいてルームシェアをさせてもらえる」など、住まいを確保できるなら遠方を選択肢に入れても。その場合は追加で発生する家賃や出費も考慮する必要があります。
3. リサーチ
条件や希望がリストアップできたら、実際にインターンを募集している企業を調べてみましょう。インターンシップは以下のような媒体で探すことができます。
4. 応募する企業の選定
条件・希望と照らし合わせて応募するインターンシップを決めます。
留学生は現地生徒より言語面で劣ってしまいますし、留学中のアルバイトに制限がある分アピールできる職務経験も少なくなりがちです。チャンスを作るためにも興味があるものには積極的に応募することをおすすめします。
5. レジュメの作成・送付
必要な応募書類を準備をしましょう。レジュメ(履歴書)や、企業によっては申込用紙、推薦状などの提出が必要な場合も。
レジュメは日本と違い、決まったフォーマットに記入していくスタイルではありません。ある程度自由に作れるので、応募するインターンシップに関連するスキル・経験で自分をアピールできるように構成することが重要です。
レジュメに記載する基本項目
contact information
objective
education
work experience / related experience
skills
レジュメの追記項目
インターンシップの仕事内容に関連した経験やアピールポイントはぜひ加えましょう。
extra curricular activities
relevant coursework, projects
volunteer experience
certifications
honors and awards
レジュメは書類選考において最も重要な書類です。自分を最大限アピールできるように時間をかけてしっかりと作り込みましょう。
6. 面接
書類選考を通過したら面接があります。日本で面接を受ける時と同様に、想定される質問への回答の練習をしてから臨みましょう。英語が完璧でなくても、ハキハキ自信を持って話せるよう、しっかりと準備をすることが大切です。
7. 採用通知 → 仕事内容・条件の確認 → 承諾連絡
無事に採用通知が届いたら、仕事内容・インターンシップの期間・勤務時間・給料など契約内容をきちんと確認した上で承諾/辞退の連絡します。
8. インターンシップの単位登録
インターンシップは単位の1つなので、他の科目と同様に授業・単位登録が必須です。
夏休み中のインターンシップであれば、夏休みの履修単位として登録しておく必要があります。夏休みの単位登録は3月頃に始まることが多いですが、自分の大学のスケジュールを確認しましょう。インターンシップが9〜12月の場合は秋学期、1〜5月であれば春学期で登録します。
また単位登録にあたり、インターンシップの内容が単位取得の条件を満たしているか大学側から確認がはいります。必要な書類があるか予め確認しておきましょう。
授業登録時期など、アメリカの大学の年間スケジュールについて詳しくはこちら
インターンシップ探し・応募を始める時期
夏休みのインターンシップは、早いところは前年の秋頃に募集開始・12月頃に締切という企業もあります。早く始めることに損はないので、9月頃からインターンシップを探し始めるのがおすすめです。
1, 2月には多くの企業がサマーインターンの募集を始めます。遅くとも冬休みには行動を開始しましょう。
夏休みのインターンシップは募集企業も多いですが、ライバルとなる生徒がとても多い時期でもあるので早めの行動が鍵となります。
インターンシップ体験談
インターンシップにまつわる失敗やトラブルも含めて私の実体験をシェアします。
書類選考で全滅した3年生の夏
私はホスピタリティが専攻で、3年生から4年生に上がる夏休みにホテル(フロントデスク)でインターンシップをしようと考えていました。
大学でホスピタリティ業界の企業だけを集めたcareer fairが3月にあり、数十社がインターンや新卒の採用活動に来ていたので、私もレジュメを片手に参加しました。
各企業のブースを周りながら気になった企業にレジュメを渡しておくと、後日企業から連絡が来るというスタイルです。
しかし結果は・・・
一社からも連絡がなく書類選考全滅!
敗因分析
フロントデスクはそもそも募集人数が少ないのに対し、ホスピタリティ学部生に人気があって競争率も高めです。流暢な英語力と高いコミュニケーション力が求められる仕事でもあり、他の生徒に負けない強み・魅力・経験が私は弱かったように思います。
ニューヨークやロサンゼルスなどの大都市であれば『バイリンガル』が強みになりましたが、外国人観光客が少ない私の州では残念ながら需要がありませんでした。
とりあえず少しでも何かしようと、3年生の夏は一時帰国時に地元のリゾートホテルでフロントデスクのアルバイトをしました。
ホスピタリティ学部について詳しくはこちら
4年生では妥協しつつも無事採用
4年生最後の春学期でほぼ単位を取り終え、夏休みにインターンシップと2つ科目を取れば8月末で卒業できるという状況で、インターンシップを絶対にゲットしたかった私はフロントデスクは諦めハウスキーパーで応募することに。
夏休みの繁忙期に人手が必要なのに応募者が少ないこともあったのか、無事に数社から連絡を頂き、なんとかインターンシップにありつくことができました。
後悔・反省ポイント
インターンシップ探しにおいては反省点が多いです。当時の私は勉強・バイト・ボランティア・国際交流など日々の生活に集中していて3月まで行動せず、またcareer fairでしか探していませんでした。インターンシップに関する情報収集がかなり甘かったと反省しています。
アメリカ留学中の放課後や週末の過ごし方はこちら
アメリカのホテルでの夏休みインターンシップ
インターンシップ先は州内のリゾートホテルで、大学から離れていたためホテルの寮に住み込みで働きました。期間は春学期が終わってすぐの5月下旬から8月末までです。
インターンシップでは育成プランや特別なアクティビティを組んでいる企業もあれば、実際の業務経験に終始した企業もあります。私の場合は後者で、ひたすら客室清掃をしていました。
新卒で勤めたのがホテルだったのでインターンシップの経験ももちろん活かせましたが、欲を言えばアメニティの在庫管理や使用済みタオルの処理など、清掃以外の業務も経験してみたかったです。
みなさんは私を反面教師に、情報収集をしっかりしながらインターンシップを探して下さいね!
仕事中のプチトラブル
ホテルはコンドミニアムタイプで部屋が大きかったため、3, 4人のチーム(日替わり・指定)で清掃をしていました。
ある日、清掃中にチームメイトのアメリカ人2人が気づいたらいなくなっていて、少し待っても戻って来ないので次の部屋の掃除を1人で開始することに。
そのうち2人が戻って来て掃除に加わったのですが、帰り際にスーパーバイザーに「あなたが勝手に1人で部屋の掃除を始めたって2人が怒ってたけど、あなたのことは信用してるから問題ないって言っておいた!」と言われました。
2人は「留学生が指示を仰がず単独行動をした」ことを懸念したらしく、少し悲しく思いましたが、スーパーバイザーにかばってもらえたのは嬉しかったです。実は2人はタバコ休憩をしていたそうで逆に注意されたとか。
終業後・休日の過ごし方
インターンシップは働けば良いわけではなく、レポートの提出があります。私はオンライン授業(自分のペースで進めるタイプ)も2つ取っていたため、終業後や休日は勉強をしていることが多かったです。
またホテルが点在しているリゾートエリアだったので働きに来る留学生が多く、街の国際交流団体が留学生向けのイベントをよく週末に開催していました。バーベキュー、レイククルーズ、マリンスポーツなど色々なイベントがあり、とても楽しかったです。
雑談:ホテルの客室清掃のチップについて
ホテルに宿泊した際の清掃チップについて疑問に思ったことがあるかもしれません。チップはマストではなく、置いていく派といかない派にアメリカ人でも分かれるようです。
体感ではありますが、チップを置いていく人は3, 4割程度だったように思います。ちなみに毎日置いていく人は1組いただけで、チェックアウト日に$2~$10くらいのチップが置いてあることが多かったです。ごくたまに$10〜20を置いてくれる人もいました。
まとめ
自分が将来やりたいと思っている仕事でインターンシップができるのがベストではありますが、あまり検討していなかった仕事でも実際にやってみると「こんな仕事があるんだ」「こういう仕事も楽しい・自分に向いている」といった新たな発見があるかもしれません。まずは視野を広げて色々な仕事を調べてみましょう。