授業や教授の指示を聞き取れるか不安
どれくらいのリスニング力が必要?
留学準備には何をしたら良いの?
そんな不安や疑問を抱いている人のために、この記事では大学留学に必要なリスニング力と留学前におすすめの準備方法をシェアします。
〜私の経歴〜
日本の普通の高校を卒業後、アメリカの大学に進学。
4年後卒業・帰国し、現在は外資系企業にて英語を使った仕事をしています。
大学留学に必要なリスニング力
留学準備におすすめの練習方法
ノートを取るコツ
おすすめ教材
アメリカ大学留学で必要なリスニング力
リスニングは授業の理解度に関わる重要スキル
大学留学にはリスニング力が欠かせないことは明白ですが、リスニング力不足により起こりうる問題をまずは具体的に見てみましょう。
教授やクラスメイトが言っていることが理解できないと、授業の理解度が下がる→宿題・テストで良い点が取れない、ディスカッションなどのワークは見てるだけ→授業態度の評価が下がる、といった負のループに陥る可能性も。最終的にはモチベーションや成績の低下にも繋がりかねません。
リスニング力は授業について行くのに必須の重要スキルだとわかるかと思います。
アメリカの大学での勉強や成績について詳しくはこちら
『聞く+ 読む + ノートを取る』を同時に行える高度なスキルが必要
具体的にどれくらいのリスニング力があれば良いの?
ネイティブスピードの英語を聞き取りながら、読み書きもできるレベルが理想だよ
①ネイティブスピードの英語を聞き取るリスニング力
教授達は強いアクセントもなく、はっきりわかりやすく話してくれる人が多いです。私も4年間で様々な教授の授業を受けましたが、「聞き取りづらい」と感じた教授はいませんでした。
しかし、決してノンネイティブの生徒のためにゆっくり話してはくれないので、ネイティブスピードの英語を聞き取れる必要はあります。
また、2つの音が繋がって発音されるリンキングや、ネイティブの発音・イントネーションに慣れておくとことも大切です。
②読み・書きしながら聞けるリスニング力
授業では多くの教授がパワーポイントなどの資料を見せながら進めていきますが、資料に書いていない補足説明もたくさん口頭で加えますし、そういった箇所もテストで問われます。
そのため授業中は、資料に目を通す+教授の話を聞く+大事な箇所をノートに取る、という3つの行為を同時にしなくてはなりません。
留学前におすすめ!リスニング&ノートテーキング練習法
読み書きしながらネイティブスピードの英語を聞き取るスキルは、大学での授業が始まってすぐ必要になるので、留学前にできるだけ鍛えておきましょう。
練習したいけど、英語で大学の授業みたいなのを受ける機会はないよ・・・
大丈夫!リスニング教材や英語の動画で練習できるよ!
Step 1. 教材とノートの準備
まずは練習に使うリスニング教材や動画を選びましょう。おすすめ教材は後ほど紹介します。
他にはノート、筆記用具、静かな環境を用意できればバッチリです。
Step 2. 聞きながら・見ながらノートをとる
実際に授業を受けているつもりで、リスニング教材なら聞きながら、動画なら見て聞きながらノートをとってみましょう。
動画の場合は、①口頭説明だけノートに取る、②動画内の文章や図説なども含めてノートを取る、という2通りのやり方があります。
初めは①のパターンで練習し、慣れてきたら②にトライしてみるのがおすすめです。大学でも授業で使ったパワーポイントなどをシェアしない教授はおり、板書しつつ口頭説明もノートに取らなければならないことがあります。
使う教材に関わらず、ノートを取る時は以下のポイントを意識して下さい。
字幕やスクリプトは見ない
一時停止・巻き戻しはしない(通しで数回聞くのはOK)
大切なポイントのみ端的に書きとる
きれいに書くことにこだわらない
スペルミスは気にしない
ご参考までに、以下は今回この記事を書くのにあたり私が実際に取ってみたノートです。英検準1級の2024年度第1回の問題を使用しました。
ちなみにglassやoverglowはスペルミスで、正しくはgrass, overgrowです。このように、自分で本来の意味・内容が理解できていれば、後で直せば良いので問題ありません。
Step 3. 字幕・スクリプトを見ながら、発音や意味を確認
ノートを取り終わったら、リスニング教材ならスクリプトを、動画なら字幕を確認しながら再度聞いてみましょう。
聞き取れなかった箇所を改めてよく聞き、発音やリンキングなどを確認します。リスニング力UPのためにも、聞き取れるようになるまで繰り返し聞きましょう。
また、意味のわからない単語やイディオムの意味を調べるとボキャブラリーUPにもなります。
Step 4. 字幕・スクリプトなしで再度聞きながらノートをとってみる
最後にもう1回教材を再生し、新しい紙にノートを取ってみましょう。1回目より多くの情報をノートに取ることが目標です。
Step 5. ノートを見直し、不足情報を付け足す
どんなにリスニング力が高くても、やはり聞きながら完璧なノートを取ることはできません。ノートを取り終わった後は、急いで書いた乱雑な字や、わかりにくい文章を書き直したり、書き逃した情報を追記してノートを完成させましょう。(※音声は聞かず、記憶を頼りに行います。)
数ヶ月後に中間・期末テストがあると想像し、テスト勉強に使えるノートに仕上がっていればOKです。
Step 6. 繰り返し練習する
ノートテーキングのコツやポイントは次で紹介しますが、上手にノートが取れるようになるにはリスニング力と慣れも欠かせません。色々な教材を使って繰り返し練習しましょう。
私は留学前に留学準備専門の英語スクールに通っていましたが、そこでも週1回『リスニング&ノートテーキング』のレッスンがありました。
始めは聞きながらノートを取るのに苦戦しましたが次第に慣れ、またリスニング力も伸びたことでより多くの情報を書き取れるようになりました。
留学生活が始まると、教授が言っていることは初回授業から問題なく聞きとれましたし、ノートも取れたので、しっかりと準備しておいて良かったです。
リスニング力とノートテーキング力を鍛えられる一石二鳥なトレーニング方法なので、ぜひ試してみて下さい
ノートテーキングのコツ&ポイント
ここでは、 私が留学中に実践していたことを4つ紹介します。
1. 改行、インデント、ナンバリングを活用する
まずは以下のノートを見比べてみて下さい。
内容は全く同じですが、改行やインデント、ナンバリングを加えた後者のノートの方が見やすいですよね。
授業を聞きながら行うのは難しいですが、できる範囲で実践できると良いと思います。わからない時は無理にせず、とりあえずノートを取ることを優先しましょう。
改行・インデントの使い方
大トピックは左に詰めて書き、小トピックや説明はインデントを加えて内側に書きます。
違うトピックに移ったら改行して同じように続けましょう。必要に応じて後で追記できるよう、2, 3行空けておくのがおすすめです。
ナンバリングの使い方
ナンバリングには数字やアルファベットを使用します。特にルールはないので自分のパターンを決めて固定化すると、ノートを見直す時にもわかりやすいです。
大トピックに
・ローマ数字:I, II, III, IV, V
・数字:1, 2, 3, 4, 5
・大文字アルファベット:A, B, C, D, E
小トピックに
・数字:1, 2, 3, 4, 5
・小文字アルファベット:a, b, c, d, e
2. 単語は省略して書く
積極的に使いたい簡単・時短テク。以下にいくつかリストアップしたので、ぜひ覚えて使ってみて下さい。
・America, American: Am
・and: &
・because: bc
・become: → ("A becomes B"ならA→B)
・communication, community: comm
・example: ex
・English: Eng
・environment: enviro
・increase, decrease: ↑, ↓
・language: lang
・something, everything : sth, eth
・someone, anyone: s/o, a/o
・people: ppl
・problem: prob
・with: w/
・without: w/o
科目や授業ごとによく使われる単語は違うので、その時々で自分で省略形を作ってもOKです。普段使わない省略形を使う時や、communication・communityなど省略形から複数の単語が連想される場合は、後でわからなくならないよう、ノートの端っこに "comm = community" などメモしておきましょう。
3. きれいに書こうとしない
授業中に丁寧にノートを取ろうとすると、書いている間に説明が進んでしまい、大切な情報を聞き・書き逃してしまう恐れがあります。
きれいにノートを取るよりも、しっかりと授業を聞き、大切な情報を書き取ることを優先しましょう。授業中は端的に・素早く・自分が解読できるノートが取れれば十分です。
スペルミスも、後で読んだ時に何の単語のことか認識できれば全く問題ありません。
4. 後で書き足せるよう余白を作っておく
「きれいに書こうとしない」とは言っても、テスト前にノートを見直した時に「字が汚くて読めない」「情報が散乱していて大切なポイントがわからない」となっては困ります。
自分が取ったノートは放課後や週末に見直し、読みにくい字を書き直したり、書き逃した情報や言葉足らずな部分を補足することで、後で見返した際にも必要な情報が得られるノートに仕上げておきましょう。
後で追記できるように授業中は少し多めに余白を作りながらノートを取ると良いです。
リスニング&ノートテーキング練習におすすめの教材
①YouTubeの解説系動画
難易度:低〜中
おすすめする人:誰でも!
おすすめポイント
大学の授業と同じように、英語を読み聞きしながらノートを取る練習ができます。またリスニング教材と違い、話すスピード・抑揚の変化や間があったりと、英語が整いすぎていない点も良いです。
ジャンル問わず、気軽に楽しめるものからアカデミックなものまで多数の動画があり、自分の興味関心や気分に応じて選べるので楽しく続けやすいというメリットもあります。
動画の選び方
何かについて英語で説明・解説している動画であれば割と何でもOKですが、図説が丁寧すぎて見ているだけで内容が理解できてしまうものは避けましょう。あくまでメインは音声、映像は補助ぐらいの動画がベストです。
始めは短めの動画を選ぶようにすると挫折しづらいかと思います。慣れてきたら長い動画にもどんどん挑戦してみましょう。 また、楽しい動画ばかりでなく、大学での授業も見据えてアカデミックな内容の動画もバランス良く使うことが大切です。
動画はどうやって探したら良いの?
自分の興味のあるトピックに以下のキーワードを付けて検索してみると良いよ
検索ワードの例
・〇〇 history
・〇〇 behind the scenes
・〇〇 trends
・〇〇 tips
・best 〇〇
・〇〇 pros and cons
・〇〇 do’s and don’ts
・problems of 〇〇
・how to 〇〇
②英検準1級のリスニング問題
難易度:中〜高
おすすめする人:
・難易度を上げた練習がしたい人
・リスニング力がある人
・リスニング力を強化したい人
※2級まではアカデミックな内容のパッセージ問題がないので、使用するのは準1級です。
おすすめポイント
準1級なのでそもそも難しいですし、視覚的補助がない分リスニング力が試されます。また、一定のスピード・抑揚でずっと話しているため大事なポイントがわかりにくく、ノートテーキングも簡単ではありません。
ですがパッセージ自体は短いため、少し難易度を上げた練習でリスニング力・ノートテーキング力を強化したい人にちょうど良い教材だと思います。
教材の選び方・使い方
使用するのはパート2のパッセージ問題です。リスニング問題集を購入しても良いですし、解説は不要という人は英検公式ホームページに掲載されている過去問(3回分)を活用しても。
あくまでノートテーキングとリスニングの練習が目的なので設問は無視して、大事だと思う箇所をノートに取っていきましょう。設問は解いても解かなくても良いです。
③TOEFLのリスニング問題
難易度:中〜高
おすすめする人:
・実践に近い練習がしたい人
・ノートテーキング力がある人
・リスニング力が高い人
おすすめポイント
講義パートは大学の講義を想定して作られているため、実践に近い形で練習ができます。しかし、以下のような点もあり難易度が高いので、他の教材で練習をすでに積んでいて、リスニング力とノートテーキング力がある程度備わっている人向けです。
TOEFLのリスニング問題の特徴
・アカデミックな内容
・単語の難易度が高い
・ネイティブスピード・発音の英語
・話者のアクセントも様々
・リスニング時間長め
教材の選び方・使い方
練習には講義パートを使いましょう。英検同様、設問は解いても解かなくても良いです。会話パートはノートテーキングには使いませんが、大学内で聞くような会話が多いので、単純なリスニング練習にはおすすめです。
④TED Talks
難易度:高
おすすめする人:英語力が高い人
おすすめポイント
様々な識者によるプレゼンテーションを無料で視聴できる、英語学習者にも人気のサイト。
クリアできれいな英語を話す人が多いですが、ネイティブスピードかつ内容も簡単ではないため、英語力が高い人にはとても良い練習になります。
字幕・翻訳・速度調整など英語学習者向けの機能が充実していて使いやすい点、トピックのバラエティが豊富な点もおすすめポイントです。
動画の選び方
TED Talksのホームページに行くと"Topics"ごとに検索できるようになっているので、自分の興味のあるテーマや専攻に関連したテーマの動画をまずは探してみると良いと思います。他にも "Latest" や "Most viewed" で検索してみても。
まとめ
読み書きしながらネイティブスピードの英語を聞き取る余裕・スキルを身につけるには、たくさんの練習が必要です。留学を決めたら早い段階で練習を始めましょう。