アメリカ留学って高いよね・・・
円安・物価高だけど留学が諦められない
留学費用を抑える方法はある?
留学はしたいけど昨今の円安やアメリカの物価高のニュースを見て留学に二の足を踏んでいるという人のために、この記事では私も留学中に実践したアメリカ留学の費用を抑える10の方法を豊富な体験談と共にシェアします。
〜私の経歴〜
日本の普通の高校を卒業後、アメリカの大学に進学。
4年後卒業・帰国し、現在は外資系企業にて英語を使った仕事をしています。
アメリカ留学にかかる学費の節約法
留学中の生活費の節約法
アメリカのリーズナブルなスーパー
留学中の雑費支出を抑える方法
アメリカ留学の学費を節約する4つの方法
学費は留学費用のメインを占める分、学費を抑えることで手っ取り早く・効果的に留学費を削減することができます。まずは学費を節約する方法を4つ見ていきましょう。
①学費が安い州・大学を選ぶ
アメリカは学費が高いイメージが強いかもしれませんが、実際のところ学費はピンキリで、かなり高額な大学もある一方、手の届く範囲の大学も確かにあります。
特に公立college(2年制大学)は平均年間学費が$8,415でアメリカではリーズナブルで狙い目の留学先です。university(4年制大学)は平均年間学費が$27,457と高いですが、高額な大学が平均を押し上げている部分もあるので、色々な大学を調べてみることが大切です。
参考:Average In-State vs. Out-of-State Tuition [2024]: Cost Comparison)
またアメリカは州ごとの学費の差がとても大きく、2024-2025年度の公立universityの平均年間学費は、1番高いミシガン州は$60,946なのに対し1番安いサウスダコタ州では$12,942です。
参考:College Tuition: Understanding Average Costs, Trends, and Financial Aid
カリフォルニア州などお馴染みの州の大学だけ調べて「学費が高いから厳しい」と諦めるのではなく、耳馴染みのない州の大学も積極的に調べてみましょう。
学費と教育の質はある程度比例し、学費が高い大学には経験や知見が豊富な教授がいたり、生徒の勉強へのやる気も高いという傾向があるのは否定できません。
「安ければ良い」わけではないと思うので、大学のホームページで自分の専攻のカリキュラム・教授陣の充実度、大学全体の教育環境などを調べて、学費に対するコスパを判断することが大切です。
アメリカの大学の学費に関する基礎知識・注意事項についてはこちら。学費の相場や最新統計も。
②collegeからuniversityへ編入する
アメリカでは編入制度が整っており、1〜2年次にcollegeで一般教養科目を履修 → 3年次にuniversityに編入して専攻科目を履修 → 学位取得(Bachelor's degree / 学士号)という進路も大変一般的です。
先述の通りuniversityの平均年間学費はcollegeの3倍以上なので、始めの2年間をcollegeで過ごすだけでも、学費の総額を大幅に抑えることができます。
実際約60%の生徒がcollegeからuniversityへの編入進路を選択しているとも言われており、アメリカの4年制大学卒業を目指す人は編入制度の利用を積極的に検討しましょう。
アメリカは編入制度が整っていますが、絶対に全ての単位が移行できるわけではありません。編入先の大学から移行不可とされてしまう単位があったり、大学や州ごとの必修単位の違いにより移行できても無駄になってしまう単位も。
編入前提でcollegeに入学する場合はきちんと計画立てて単位を取っていくことがカギになります。
詳しくはこちらをご参考下さい。
③在学期間を短くする
アメリカの大学は在学期間が決まっておらず単位を取り終わったら卒業なので、『早く卒業する』ことでも学費や滞在費を節約できます。
早く卒業するにはどうしたら良いの?
単位の取り方を工夫しよう
大学や専攻により多少差はありますが、卒業に必要な単位はcollegeで約60単位、universityで約120単位となっており、1学期に15単位ずつ履修すると卒業までにcollegeは2年、universityは4年かかります。しかし、例えば下記の表のように各学期で履修する単位を少し増やす、夏・冬休みにも授業を取る、といった方法で単位を前倒しで取ると、早く卒業することが可能です。
また、20単位くらいまでは履修単位数に関わらず授業料(学期毎の支払い)が一律の大学も多く、こうした大学では単位を多く取ると1単位当たりの単価が下がってお得です。
アメリカの大学は宿題がとても多いので、1学期の履修単位は15単位前後、多くとも18単位くらいが現実的です。
早めに卒業したい場合は、何年間で卒業を目指すのか目標を決め、卒業単位数を元に1年間で取る単位数を計算して無理のない計画を立てることが大切です。
単位についてはこちらをご参考下さい。
④返済不要の奨学金をもらう
アメリカは返済不要の支給型の奨学金が充実しているので、これを逃す手はありません。
まずは大学のホームページで"scholarships" と検索し情報収集をしてみましょう。全生徒 / 新入生 / 編入生 / 留学生向けなど奨学金の対象は様々で、それぞれ応募条件・金額・支給回数が違います。多くの場合「GPA〇以上」と成績に関する条件があります。
奨学金を得るための条件をクリアするのは決して簡単ではありませんが、まずは応募できそうな奨学金の目星を付け、条件を確認し、目標に掲げてみると良いと思います。特に留学生限定の奨学金は狙い目です。
私は通っていた大学から1学期$2000、年間で$4000の奨学金をもらっていました。これは全校生徒向け奨学金で条件は2つあり、1つ目はGPAが3.5以上であること、2つ目は学期中に3回ボランティア活動をすることでした。
この奨学金は毎学期応募し直して審査を受けなけらばならなかったので、GPA 3.5以上をキープし続けるのは大変でしたが、勉強をがんばるモチベーションの1つにもなりましたし、達成すると自分の自信に繋がったので良かったです。
ちなみにボランティア活動は留学生課が定期的に企画していたボランティアに参加し、奨学金の申込時に留学生課に参加証明書を発行してもらっていました。
留学中の生活費を節約する3つの方法
アメリカではインフレの影響もあり月々の生活費は日本よりも高めです。学費に次いで大きな出費となる生活費の節約方法はしっかりおさえておきましょう。
①生活費が安い州・地域を選ぶ
日本も地域によって物価や家賃相場が違うように、アメリカでも生活費には州・地域差があるため、生活費が安い州に留学するだけでも留学費用を抑えることに繋がります。
傾向としては平均生活費は西・東海岸沿いが高め、中部・南部が安めですが、もちろん同じ州内でも市や地域によって生活費は変わります。各大学のホームページでは年間でかかる推定費用(cost of attendance)を公開しており、学費だけでなくその大学に通う学生の平均生活費も知ることができます。志望校のcost of attendanceは要チェックです。
参考:Student Living Costs in the USA: Budgeting for an International Degree in 2025 - Mastersportal.com
アメリカ留学中の家賃・食費の相場や、生活費にまつわる注意点についてはこちら
②家賃が安い部屋に住む
留学中はルームシェアをしたり大学の寮に住む生徒が多いですが、どちらが安く済むかはその地域の家賃相場と大学の寮費によるため一概には言えません。
どちらにしても安い部屋を選ぶことが節約になりますが、安さを重視するあまりストレス値の高い部屋を選んでは元も子もないので、自分の予算・性格・生活パターン・希望の暮らし方を考えながら選ぶことが大切です。
ルームシェアの家賃を節約する方法
ルームシェアとは2〜3LDKの大きな部屋を複数人で借りて一緒に住むことです。ルームシェアではもともとの家賃をルームメイトの人数で割って平等に折半するのではなく、それぞれの個室次第で下記のように家賃負担が変わります。
1. Master Room
個室の中に自分専用のバスルームがある
キッチンとリビングのみ共有
家賃の負担割合が高い
2. 普通の個室
自分の個室がある
トイレ・お風呂は共有
家賃負担は中間
3. リビング
リビングをカーテンなどで仕切って個室風にした部屋
生活音が気になるかも
家賃が一番安い
快適さとリーズナブルさを兼ね揃えた普通の個室が無難ではありますが、生活音が気にならない&極力節約したいという人はリビング個室を検討してみても。いずれにせよ、必ず複数を比較検討して決めましょう。
カリフォルニアのcollegeに通っていた際にルームシェアをしていましたが、2人暮らしでMaster Roomに住んでいた時は月$700, 3人暮らしでバスルーム共有の普通の個室に住んでいた時は月$450でした。(※どちらも光熱費は含まない)
2つのアパートは徒歩5分も離れていませんでしたが、住み方でこれだけ家賃が変わることがわかる良い例かと思います。
ルームシェアに関する基本知識や、ルームシェアの始め方について詳しくはこちら
大学の寮費を節約する方法
大学には複数の寮があり、寮のタイプ・設備やルームメイトの数に応じて寮費が違います。大学のホームページで詳しい寮費を調べ、節約したい人はもちろん安い寮・部屋から優先的に検討しましょう。基本的にはルームメイトが多い部屋の方が安いです。
私は通っていたcollegeに寮がなくルームシェアをしていたため、universityに編入したら絶対に寮生活がしたいと思っていました。そのため『リーズナブルな寮があること』も志望校選びの条件に。
一番安い月額$486(光熱費・ネット代込)の、一番古い寮の3人部屋に2年間住んでいました。中西部のド田舎大学だったこともあり寮費は平均よりも安めです。
寮生は自炊よりもカフェテリアでの食事がメインとなるため、Meal PlanまたはDining Planと呼ばれるカフェテリアでの食事プランの契約を必須とする大学が多いです。
1週間〇食や1学期〇〇食などの複数のプランから選べますが、一番食数が少なく安いプランを選んでも1学期(4か月)で約$2000以上することも珍しくなく、大きな出費であることは否めません。
必ず大学のホームページで寮費と合わせてMeal / Dining Planを検索し、各プランの料金や契約義務など調べておきましょう。
詳しくはこちらをご参考下さい。
寮生活に関する基本知識や、メリット・デメリットについて詳しくはこちら
③食事は自炊中心にする
やはり食費の節約には自炊が必須なので、留学前から少しずつ自炊スキルを身に付けておくことをおすすめします。
日本で自炊する際によく使う調味料・乾物がある人は渡米時に持って行くと自炊がしやすくなるかと思います。醤油などはアメリカの普通のスーパーでも売られていますが、円安&そもそも日本で買うよりも高いので、スーツケースに余裕がある人は日本から持って行っても。
スーパーチェーンは色々あり、それぞれのターゲット層に合わせて商品の品揃えや価格帯が多少違います。近所のスーパーをいくつか訪れ自分に合った店舗を探してみましょう。
リーズナブルなスーパーチェーン
Aldi
WinCo Foods
Food 4 Less
Walmart
Target
Lidl
など
外食は例えファミレスであってもテーブルで接客を受ける以上チップの支払いが必要です。昨今は合計金額の15~20%がチップの最低ラインとされており外食は高くつきますが、食文化を体験する大切な機会の1つでもあるので、ぜひメリハリをつけて利用しましょう。
ルームシェア時代は、朝・昼はシリアルやサンドイッチなどの軽食で済ませつつ、夜は親子丼、ハンバーグ、パスタなどお馴染みの料理を作っていました。
寮に住んでいた時は、節約のためにも朝は自室で食べ、カフェテリアは主に昼・夜に利用。
外食は1か月に1回あるかないかくらいの頻度で楽しんでいましたが、アメリカは1人前の量が多く、残り物を持って帰るのも普通なので、無理に完食せずに持って帰って次の日に食べてプチ節約をしていました。
留学中の雑費を抑える3つのプチ節約術
交際費や雑費は1つ1つの金額は小さいかもしれませんが、チリツモで大きな金額になることも。ここでは私が実践していた節約法を3つ紹介します。節約ばかりではストレスになってしまうので、自分に合った方法で節約していくのがおすすめです。
①娯楽が少ない地域に留学する
都市は生活費が高いだけではありません。例えばニューヨークやサンフランシスコ、ハワイなど娯楽が多い地域に留学すると、様々な楽しみがある分レジャー費や交際費が嵩んでしまう傾向にあります。
レジャーにお金を使いがちという人は、誘惑の多い都市を避けて娯楽が限られていそうな地域を留学先にあえて選ぶのも1つの手です。
カリフォルニアに住んでいた時は週末には大型ショッピングモール(街に複数あった)や観光地、ビーチに行ったりと色々なレジャーを楽しみました。
編入のために引越した中西部の町はモールもなく、あるのは豊かな自然という地域だったので、週末は留学生課や地域のイベントに参加したり、ホストファミリーと過ごすことがメインに。お金を使う機会がかなり減り、代わりに長期休みには旅行を楽しみました。
もちろんカリフォルニアの方が色々楽しめたのは事実ですが、『留学』らしい楽しみをたくさん経験できたのは中西部にいた頃だと感じています。
留学中の放課後や休日の過ごし方について詳しくはこちら
②中古品を活用する
留学期間が長くない人は、日本に持って帰らない物や家具を新品で購入するのはもったいないですよね。新品じゃなくても大丈夫な物は中古で探してみてはいかがでしょうか?中古品は主に以下のような方法で入手できます。
中古品の入手方法
中古品ショップ
フリーマーケット
ヤードセール・ガレージセール
インターネット
Craiglist(ネット掲示板)
大学の掲示板
友達や知り合い
など
ヤード・ガレージセールは個人宅でたまに行われ、道を歩いているとヤードセールの看板に出くわしたりします。フリーマーケットは地域のイベント情報を調べてみましょう。
Craiglistとは日本で言うジモティーみたいなもので、ローカルで中古品を売り買いできます。特に学期が終わる5月~新学期が始まる9月は、卒業や引越しで不要になった物を売りに出す人が多く、色々な物が出回ります。ただ完全に個人売買になるのでトラブルに遭わないよう注意が必要です。
教科書も中古でOK
1冊数十〜数百ドル、平均で1冊約100ドルと決して安くない教科書は特に中古の活用をおすすめします。中古の教科書は大学のbook centerでも売っていたりするので覗いてみて下さい。
教科書は改訂版が数年ごとに発行され、古い版を購入してしまうと、教授が使用している版と合わず授業で困るかもしれません。必ず初回授業で配られるシラバスで指定教科書の版(edition)番号まで確認しましょう。
私はルームシェアをしていた時に3人掛けの大きなソファをCraiglistで$30でゲットしました。少しシミが付いていましたが、大きめのカバーをかけて解決。ルームシェア解消時にタダで人に譲りました。
またガレージセールでは自転車を$40で購入したものの、施錠していたのに1年もしないうちに盗まれてしまいました・・・。安い中古だったのが幸いです。
③おしゃれにお金をかけすぎない
アメリカの大学生はかなりカジュアルです。もちろんお出かけ時や特別な場ではおしゃれを楽しみますが、通学は男女問わずジーンズにTシャツやカットソー、パーカーといったラフな格好の生徒がとても多いです。郷に入っては郷に従え精神で、服飾費用を抑えつつアメリカンカジュアルを楽しむのも良いかもしれません。
また節約という観点だけでなく、現地に溶け込むことは身の安全を守ることにも繋がります。アメリカでは子供や学生が誘拐・監禁される事件もありますし、トラブルに巻き込まれないためにも浮いてしまうような服装は避けた方が無難です。
まとめ
いかがでしたか?「高額」という印象が先行しているアメリカ留学ですが、留学費用を抑えるために自分で工夫できることは意外とあります。「金銭的に無理」と諦めてしまう前に、まずは色々とリサーチしてみましょう。