
『学部』や『学科』は英語で何て言うの?
focusやemphasisって?
いくつか学位があるけど違いは何?
そんな疑問を抱いている人のために、この記事では留学前に知っておくべきアメリカの大学の学部・学科・専攻・学位に関する基本を解説します。
アメリカの大学の学部・学科・専攻・学位の構成は日本と違うだけでなく、大学ごとにも違いがあって混乱しがちです。この記事で基本的な知識を身につけていきましょう。
〜私の経歴〜
日本の普通の高校を卒業後、アメリカの大学に進学。
4年後卒業・帰国し、現在は外資系企業にて英語を使った仕事をしています。
覚えておくべき基本用語
学部・学科・専攻の構成
学位の種類と違い
大学のホームページの見方
日本よりもややこしい!アメリカの大学の『学部・学科』
『学部』『学科』の呼び方
アメリカでは以下の通り『学部』『学科』を指す単語は複数あるため、大学ごとに呼び方が異なります。
『学部』『学科』の呼び方
・School of ...
・College of ...
・Faculty of ...
・Department of ...
次の2つの実例を見比べてみましょう。
University of California, San Diego
School of Arts and Humanities
Department of History
Department of Literature
Department of Music
Department of Theatre and Dance
University of Florida
College of the Arts
School of Art + Art History
School of Music
School of Theatre + Dance
前者の大学ではSchoolが学部、Departmentが学科を指しているのに対し、後者の大学ではCollegeが学部、Schoolが学科を指しています。
上記のように、同じ単語でも『学部』を意味するか『学科』を意味するかは大学によって違うのでややこしいですが、大分野の方が『学部』、専門分野ごとにより細かく分かれている方が『学科』と判断してOKです。
"college"は『大学』にも『学部・学科』にもなる
collegeって2年制大学のことじゃないの?
2年制大学のことをcollegeと言いますが、university(4年制大学)では "college"は『学部』や『学科』を意味します。
universityのホームページで、”college of 専門分野名”となっていて、得られる学位がB.S./B.A.(学士号)であれば、この"college"は『学部』や『学科』を指していると判断できます。
一方college(2年制大学)では、『学部・学科』が同じ”college”だと紛らわしいので、 ”school”など他の単語が使われていることが多いです。
縁のある人の名前がつくことも
日本の大学では学部名に個人名が付くことはほぼないかと思いますが、アメリカでは人の名前が付いた学部名もよく見かけます。
こちらも実例を見てみましょう。
The University of Texas at Dallas
School of Economic, Political and Policy Sciences
Erik Jonsson School of Engineering and Computer Science
Naveen Jindal School of Management
School of Natural Sciences and Mathematics
特に"人の名前+SchoolやCollege"だと、「あれ?もしかして別の学校?」と思ってしまうかもしれませんが、こういった学部・学科名も一般的です。
また上の例のように、同じ大学内に人の名前が付いている学部と付いていない学部が混在していることもよくあります。
学科がない学部
日本と同様に学部から学科に分かれ、さらに専攻プログラムに分かれるパターンが主流なものの、アメリカの大学では学部に学科がないことも珍しくありません。その場合は学部から直接専攻プログラムに分かれていきます。

先述のテキサスの大学の学部の1つであるNaveen Jindal School of Managementも学科がない学部で、以下のような専攻プログラムに分かれます。
The University of Texas at Dallas
Naveen Jindal School of Management
Accounting
Finance
Information Systems
Marketing
Operations/Supply Chain Management
もちろん、同じ経営系学部でも学科がある大学もありますし、学部・学科の構成は大学によって違うので各大学ごとに確認が必要です。
アメリカでは日常会話で学部や学科はあまり話題にならないかな。専攻を聞くことの方が多いよ。
選択肢が豊富!アメリカの大学の『専攻』
『専攻』はご存知の通り英語ではmajorと言いますが、大学のホームページではprogramやcourseとして説明されていることも。どれも基本的には『専攻』と同義と考えて大丈夫です。
各大学の個性が光る多種多様な専攻
同じ学部・学科や専攻分野でも、具体的な専攻・プログラムの選択肢は大学によって違い、個性が出る部分です。
例えば、以下の2つの大学のエンジニア学部の専攻を見比べてみて下さい。
University of Kentucky
Aerospace Engineering
Artificial Intelligence
Biomedical Engineering
Biosystems & Agricultural Engineering
Chemical Engineering
Civil Engineering
Computer Science
Computer Engineering
Electrical Engineering
Computer Engineering Technology
Lean Systems Engineering Technology
Materials Science and Engineering
Mechanical Engineering
Mining Engineering
Boston University
Biomedical Engineering
Computer Engineering
Electrical Engineering
Mechanical Engineering
専攻の数が全然違う!
同じエンジニア学部でも前者の大学では専攻が14あるのに対し後者の大学は4つだね。
決して「専攻が多い=良い大学」というわけではありませんが、専攻が細分化されていて選択肢が多い場合は、大学としてその専攻分野の教育に力を入れていて、カリキュラムや講師陣が充実している傾向はあります。自分の志望に合った大学に進学するためにも、色々な大学を比較検討しましょう。
専門性の高いユニークな専攻
アメリカの大学には以下のような日本では珍しい専攻もあります。こういったコースでは、専門性の高い学びが得られるのが強みです。
アメリカで学べるユニークな専攻
・Advertising
・Public Relations
・Human Resources
・Golf Management
・Parks and Recreation
・Real Estate
・Sports Journalism
など
何を学びたいかが明確で将来は専門性を生かして活躍したい人におすすめです。
重点的に学べる分野選択
自分が特に学びたい『重点分野』を選び、選択科目を通してその分野を深く学ぶスタイルを取り入れている大学も多いです。
具体的には、専攻共通の必修科目で専攻分野にまつわる基礎知識を幅広く習得し、特に興味のある分野を選択科目で深く学んでいきます。

この『重点分野』は大学によって以下のように呼ばれています。
『重点分野』の呼び方
・Focus
・Emphasis
・Concentration
・Specialization
例えばラスベガスの大学のホスピタリティマネージメント専攻では、希望者は6つの分野からconcentrationを選び、15単位分の選択科目をそれぞれのconcentrationに応じて取ります。
University of Nevada, Las Vegas
B.S. in Hospitality Management
6 Areas of Concentration
Gaming Management
Event Design and Management
PGA Golf Management
Innovative Restaurant Management
Hospitality Beverage Management
Human Resource Management
専攻・学位名自体は重点分野によって変わることはありません。
ダブル専攻や副専攻も可能
希望者はダブル専攻(double major)や副専攻(minor)も可能です。もちろん、より多くの単位を取らなければならないため、授業料が追加でかかったり、卒業も伸びる可能性があることを理解しておきましょう。
文系と理系で分かれるアメリカの大学の『学位』
アメリカの大学で取得できる学位(degree)は大きくBachelor's degreeとAssociate degreeに分かれ、それぞれArtsとScienceがあります。
学位(degree)の種類
university(4年制大学)
Bachelor of Arts (B.A.)
Bachelor of Science (B.S.)
※日本でいう学士号
college(2年制大学)
Associate of Arts (A.A.)
Associate of Science (A.S.)
Associate of Applied Science (A.A.S.)
※日本でいう準学士号
Artsは文系専攻、Scienceは理系専攻向けの学位
ArtsとScienceは何が違うの?
B.A.とA.A.は主に文系専攻、B.S.とA.S.は主に理系専攻で取得できる学位です。それぞれの特徴や違いは以下の表をご参考下さい。

大学のホームページを見ると、例えば"BS Data Science"や"BA Art History"のように、学位と専攻名がセットで記載されています。
ArtsとScienceどちらにもなる専攻
実はArtsかScienceかはっきり分かれていない専攻もあります。例えば、R大学ではB.A.なのにS大学ではB.S.、T大学ではB.A.かB.S.か選べる、といったことも。以下の分野はそういった『どちらにもなりうる専攻』です。
Arts/Scienceどちらにもなる専攻
・心理学
・ビジネス、経営
・教育
これらだけでなく、大学によっては「完全に文系」だと思えるような専攻でB.S.やA.S.が選べたり、逆に理系っぽい専攻でB.A.やA.A.が選べることもあるので、各大学のホームページで確認してみましょう。
でも何で同じ専攻なのに文系と理系があるの?
何に重点を置いて学ぶか、また将来のキャリア像で変わってくるよ
先程の表に記載の通り、Artsはコミニュケーションや定性分析に、Scienceは数値・データや研究に重点をおいてカリキュラムが組まれています。
そのことから、例えば心理学専攻ではカウンセラーを目指すならArts、研究職を目指す人はScienceを選ぶようになっていたり、またビジネス専攻では人事・Customer Relationship・マーケティング分野はArts、会計・経理・データ分析分野ならScienceと分けている大学も。
大学のホームページで情報を探してみよう
学部・学科・専攻プログラムなど学業に関して調べたい時は、まず各大学のホームページでAcademicsのタブをクリックしましょう。
<例>Seattle Universityのホームページ

学部・学科の検索方法
どんな学部があるか知りたい時は、AcademicsタブからSchools and Collegesをクリックすると、大学にある学部の一覧が見られます。

ここから学部のホームページに飛ぶことができ、学科がある場合はさらにそれぞれの学科のページに移動できます。
学部・学科のページでは教育目標や大学の強み・売りポイントなども記載されているので、留学先の大学を比較検討する際には必ず確認しましょう。
専攻・学位の検索方法
各学部・学科で具体的にどんな専攻があるのか調べるには、学部・学科ページでProgramsやUndergraduateというワードを探してみると良いです。
専攻・プログラムの検索方法
学部・学科からではなく直接専攻を検索したい場合は、AcademicsのタブからPrograms, Courses, またはMajors(大学によって表記はバラバラ)をクリックします。

ここでは大学の専攻だけではなく、大学院の専攻やMinor(副専攻)のみの専攻も全て出てきてしまうので、まずはUndergraduateやMajorでフィルターをかけることをおすすめします。

その大学で取れる専攻がABC順で表示され、専攻名をクリックすると、各専攻の詳しいカリキュラム内容(必修・選択科目)や卒業条件、学位名など詳しい情報を得ることができます。
まとめ
学部・学科の呼び方や、文系・理系の区別でさえ大学によって違ったりとアメリカの大学はややこしいですが、色々な大学についてリサーチしているうちに慣れてくるかと思います。上記の基礎知識を頭の片隅に入れつつ、「この大学はこうなんだ」と柔軟に見ていきましょう。